里山エッセイ・鎌倉峯山の四季

峯山の四季折々の状況と活動内容をお知らせします。

タグ:雑木林

210512エゴノキ花
     (エゴノキの花)
210512ガビチョウ卵
   (ガビチョウの卵)
峯山の西斜面を草刈りしていて、ふと見ると何んとエゴノキの花が咲いているではありませんか。
前回、すでに青い実になっていると云ったのは誤りで、それは蕾だったようです。写真のようにうつむき加減に可憐な花を咲かせていました。再び申し訳ないと謝りましたが、どうも私はエゴノキに頭が上がらない関係になっているようです。おまけに、近くの地面に白い花が沢山散っているので見上げて見ると、遥かかなたに花が一杯咲いています。かなりひょろ長い樹形ですが、どうやらエゴノキのようです。今まで竹に覆われていたので花が付かなかったのかも知れません。この雑木林は、これからいい感じになりそうで楽しくなりました。
楽しいといえば、写真②は、草刈り中に発見した野鳥の卵です。遠くから見た時は子供が置き忘れたおもちゃかと思ったのですが、近づいてみると鳥の巣の卵でした。余りにも無防備な状態なのでそっと草でカバーしましたが、近くの杉林で巣作り中のカラスに襲われそうで心配です。周りを刈り残して様子をみていたら、親鳥が帰ってきました。黄色がかっか羽のムクドリくらいの鳥です。近寄ったところ飛び立ち、その先でコジュケイの鳴き声がしたのでそれかなと思い、帰宅後調べたらコジュケイの卵は白です。そして、空色の卵はムクドリだという記事が多いです。しかし、姿かたちはムクドリのものでは無かったのでいろいろ調べているうちに、どうやらガビチョウのものだと判明しました。コジュケイの鳴き声は、人を騙すためのものだったのでしょうか。
私は、以前畑でキジの巣を見つけたことがあります。自然農畑にあるブラックベリーの手入れをしていたら、尻を激しく突っつくものがいます。キジのメスでした。巣に近ずくなと威嚇していたのです。それに比べるとガビチョウはダメですねえ。さっさと逃げ出します。或いは抱卵していたのがオスだった? となればあり得るかもしれません。オスはたいてい意気地なしですからね。
こんな自然観察をしていると、楽しいですが作業が進みません。この日も予定の半分しか出来ませんでしたが充実感はありました。山仕事は楽しい!



210430エゴノキ実
    (エゴノキの青い実)
峯山の西斜面に2mほどのエゴノキがあります。雑木林の中のエゴノキは、景色として悪くありません。それで、添木をしたり株元の草取りなどの手当てをしています。今年の4月に花が咲きそうな気配があったので、ようやく咲いてくれるかと楽しみにしていました。以前遊行寺近くの俣野別邸公園を訪れたおり、雑木林の中にエゴノキの白い花を見ました。けっして華やかさのある木ではありませんが、下向きにひっそりと咲く花は可憐そのもです。大きな木の間の薄暗い空間で独特の存在感を示しています。じつは、我が家にもエゴノキがありました。背丈が4m近い成木でしたが、ちょっと陰気くさい感じの木なので、ナツツバキに植え替えしました。おかげで庭の雰囲気が一気に明るくなりましたが、一方でエゴノキには悪いことをしたな、という後ろめたさも感じていました。そんないきさつもあったので、ここのエゴノキの成長ぶりをを気にしていたのです。
頃合いを見計らって行ってみたら、写真のようにすでに青い実になっていました。お前なんかに見せるものかと言われたような気がしました。今年の桜の開花は異常に早かったですが、散るのも早かったです。エゴノキも同じだったのでしょう。残念なことをしました。
気になる木といえば、早咲きの桜もそうです。尾根道のジャマになるところにあったので、こかげ道と名付けた作業路沿いに昨年移植しました。背丈は2mほどあるので花を咲かせてもよいはずですが、一輪か二輪見かけた程度で春が過ぎました。充分根付いていなかったせいかもしれません。
エゴノキも桜も来年の春を待たねばなりません。何となく、エゴノキの花が見られたら、私の峯山での仕事も一区切りと思っていたので、はぐらかされた気がします。或いは、もう少し仕事をしろと峯山が励ましているのかもしれません。どこの山の神でも厳しいものですね。

210422イヌビワ
(上を詰めたらうまい具合に下枝が出てきた)
峯山付近には、ニワトコ、アカメガシワ同様にイヌビワが沢山自生しています。藪を切り拓いている頃は邪魔だとばかり、せっせと伐採していました。それが、ある時期から逆に保護対象となり、その上幼木を移植するようになりました。
それは、上皇陛下が退位表明されてまもなく、上皇后へのインタビュー記事に「陛下の大好きなイヌビワの木を植えて差し上げたい」とあったのがきっかけです。興味をもって調べてみると、イヌビワはかなり特異な性質を持つ木であることが分かり、伐採方針を止めました。
名前にビワとありますが、その実の味はイチジクに似ています。その実を食べてみると、思わずペッと吐き出しました。ネット上には、たいてい「食べられなくはないが旨くない」と出ています。また、タヌキが好んで食べるとも出ています。
しかし、これは過った情報であることが後で分かりました。黒く熟した実はかなり甘く、舌の上にブツブツ感が残りますが不味くはありません。試みにジャムにして皆に食べてもらったところ好評でした。詳しく調べるとイヌビワはオス・メス異株で、美味しいのはメス株の実です。オス株のものは、タヌキも吐き出しそうな代物です。私が最初に食べたのもオス株のものだったのでしょう。
イヌビワの若芽も旨いというので、先日、お浸しと天ぷらで食べましたが、味が濃くてかなりいけます。イヌビワは秋になると黄葉します。カエデなどよりも存在感のある発色で、秋の雑木林を彩ってくれます。今やイヌビワの評価は急上昇中です。最近峯山にタヌキが出ますが、タヌキに食べられ前に人間が片付けてしまいそうな勢いです。竹林を皆伐した跡地にイヌビワが何本もあり、ここにクワとイヌビワの幼木を沢山移植しています。子供たちが採取しやすいように剪定しているので数年後には果樹園として機能することでしょう。

210410エゴノキ
(雑木林に移植した4年目のエゴノキ 、今年は花が咲きそう)

雑木林を「ざつぼくりん」と読むと林業用語となり、有用でない林、つまり桧や杉ではない林の意味となります。
「ぞうきばやし」と読むと里山のイメージに近くなります。里山とは、地域住民が生活に必要な資源を得るために手入れを怠らなかった人工林のことですから、ほぼ同義語といえます。
しかし、石油による燃料革命で里山の価値は一気に低下して、その結果山の手入れをする人がいなくなり荒れ果てました。峯山も例外ではありません。燃料用に植えられたクヌギ、コナラは巨木化し、アズマネザサ(篠竹)や竹の侵食で人の入れない暗い山となっていました。
手の入らない里山はあり得ませんが、どこまで、どのように手を入れるかは関わる人によってまちまちです。里山の定義をきちんとしておかないと百人百様の状況になります。
峯山近辺は殆ど市有地、県有地です。ということは市民のもの、県民のものということです。我々が里山にどの様な価値を求めるのかによって手入れの方法が変わってきます。
子育て、子供の遊び場として利用したい人、手軽に山歩きをしたい人、山桜を愛する人、山野草に興味をもつ人、樹木や鳥、生き物に触れたい人、様々な要望があるはずです。
里山の価値がどこにあるか考えるとまとまりがつきません。しかし、雑木林として捉えれば整理がつき易くなります。きれいな花の咲く木、実のなる木、紅葉や黄葉を楽しむ木など様々な木々の間をゆっくり散策出来ればまさしく癒しの空間となります。暑い時には木陰を拾い歩いてフィトンチッドを満喫し、冬場には落葉した木々の間から海や山を眺めて開放感を味わう。そして運が良ければ山の幸も得られる。そんな雑木林が身近にあれば、ここに住んでいてよかったと実感することでしょう。こうして里山の価値が高まればボランティア活動も盛んになり、手入れが行き届きます。つまり、大勢の人が山に入り、山を利用することで好循環が生まれ、めでたし、めでたしとなる訳です。

ターザン
(写真① ターザンごっこ)

リンボウ_2
(写真② リンボウダンス)

一本橋
(写真③ 一本橋)
山頂から西に下るとゆるやかな斜面の雑木林に入ります。以前、ここには大きな山桜から太いふじ蔓がぶら下がっていました。
ここは、子供たちの一番人気の遊び場で、大勢の子がターザンごっこをしていました。(写真①)
子供だけではなくリーダーらしき大人までもぶら下がるので、さしものふじ蔓も耐えきれず、ある日山に入ったら下に落ちていました。子供たちのガッカリした顔が目に浮かんだものです。
この斜面の先には、峯山広場という100坪ほどの平坦地があります。
ここに、こんな遊びを知っているかなと思いつつリンボウダンス用の竹杭を立てたことがあります。
子供は新しもの好きです。果敢に挑戦していました。(写真②)
しかし、いつの間にか横棒が固定されてハードル遊びに変身していましたので引き抜きました。
キケンな状態を放置するわけにはいきません。しかし、子供たちは何がなくとも工夫して様々な遊びを考えだします。大人が提供するのは、安全な場所を確保してあげるだけで充分なようです。
雑木林と広場の間には空ぼり状の地形があります。ここに伐採した手頃の杉の木を一本橋のように渡しておいたら喜んで渡り始めました。(写真③)
雑木林には、クヌギやコナラの幼樹を植えてあります。これらが育ち、樹液を出すようになったらクワガタやカブトムシが寄ってくるはずです。それに釣られて子供たちも寄ってくるでしょう。
子供が集まれば大人もついてきます。そうやって峯山周辺が賑やかになれば、なかには山仕事を手伝うかと思う物好きも出てくるでしょう。つまりは将来展望が開けるといういうわけです。
今では、山桜の保護活動と共に、子供たちが安心して遊べる場所の提供が、鎌倉峯山の会の大きなテーマとなっています。

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