里山エッセイ・鎌倉峯山の四季

峯山の四季折々の状況と活動内容をお知らせします。

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210921ハナハッカ
最近、林相計画書なるものを作成しました。地図上に何種類かの林相別に区分したものを明示しています。整備済みのところをこの計画に基づいて維持管理するためのものです。圧倒的に大きな面積を占めるのは雑木林です。他には人工林である杉林、それと竹林も含めています。竹林は報国寺のような美しい竹庭を目指しています。特徴的なのは、草地を設けていることです。4箇所ほど点在している草地の目的の一つは広場としての役目です。腰掛を置き、ここで休憩をしたり子供たちを遊ばせる場にしています。もう一つの目的は、草花による竹の子発生の抑止効果です。竹林を皆伐した年に、試みにフキを植えつけました。処を得たのかフキは元気に繁茂し、3年後には殆ど竹の子が出なくなりました。効果抜群なうえ季節の楽しみをもたらしています。
通称汐見台の南側には、かなりの広さの平地があります。ここは少し昔まで畑だった場所なので、草刈りのタイミングによって様ざまなものが芽を出します。以前にはトマトやキュウリが出てきて実がなりました。また、菜の花、ソバ、ハナダイコンの花も咲きます。そこで、積極的にこれらを増やしています。こうすることで必然的に竹の子の発生を抑制でき、今では、以前ここが荒れ果てた竹林であったことなど想像もできない姿になっています。
毎年9月になると全面的に草刈りを行いタネまきをします。勿論、今年ここに咲いた菜の花から採取したタネです。問題はこの後です。昨年のことですが、この場所で徒競走している子供たちを見かけました。突然山の中に短距離走のトラックが出現したようなものですから、走りたくなるのは当然のことです。また、別の日には何組かのグループがシートを拡げてランチを楽しんでいました。
そこで、今年は不本意ながら立ち入り禁止の標識を立てました。折角発芽した菜の花がじゅうりんされては来年の楽しみが消えてしまいますので苦情の決断です。
写真は、タネまき後の様子です。手前の草花はハナハッカ(オレガノ)の群落です。今年突然発生しましたので刈らずに残してあります。

210823ミズヒキソウ
真夏の暑い盛りでも、ふと秋を感じることがあります。それは、草花の移ろいであったり、空の色や風の吹き具合などに突然のように現れます。
お盆休みと称して10日程山に入らなかったので、代わりに久しぶりに早朝散歩をしてみました。以前はこれが日課でしたが山仕事をするようになり中断していました。夜明け前から歩きはじめますが、普段気付かないことに出合い新鮮な気分になります。何よりも静寂さが気に入っていますし、あちこちに秋の気配を感じ取ることができました。
ラジオ体操のグループにも出会いました。以前は大勢の人たちがラジオを鳴らし、声高に喋るので苦手でしたが、リタイヤした人が一気に増えたのでしょう、今は2,3人でひっそりとやっていました。これは秋の気配というより、何だか人生の秋を感じるようで侘しい気がしました。
山での気配は、何んといっても草花の変化です。ヤブランが薄紫の花を立て、ヤブミョウガの実が暗紫色に色づき、そしてミズヒキソウが路傍に目立つようになると秋近しです。そして、今年の秋はどんな事になるか気になる時期です。
フジバカマは順調に繁茂していますが、ミソハギはうまく花が咲いてくれません。栗の実はどうか、イヌビワはジャムが作れるほどになってくれるか? 市の調査によるとタヌキが増えているようですから、イヌビワの実の争奪戦になるかもしれません。9月に入るとNPO法人やまもり主宰の子供のためのイベントが予定されています。今度のテーマは「秋の峯山を味わおう」だそうです。ますます心配になります。

210803バンブーベッド
昔からの職人の習慣に三尺寝というのがあります。日陰が三尺移る間、時間にすれば30分ほどの短時間の昼寝のことです。大工や庭師などの職人が昼寝することを施主も親方も、三尺寝なら仕方あんめぇと認めていたようです。
峯山の集合日には弁当持参で集まり、夕方まで作業します。このクソ暑いのによくやるねえと言われますが、本人たちは別に苦労に思っていません。一応3時に上がることになっていますが、こんな時間に切り上げようとする人はだれもいません。それは山が涼しいからです。ことに休憩場所の涼しさは格別です。地形のせいでしょうか、風の通りがよく涼風が吹き抜けます。それと、街中と決定的に違うのは地面が舗装されていないことです。休憩時には、つい、うとうとしたくなります。
日の高い時間に山を下りると、途端に暑さを感じます。ことにバス通りにでると道路や塀の輻射熱に包まれる感じがして、体感的に山と3度くらいの差があります。あそこを通って帰るのかと思うと、つい山に居る時間が長くなります。
つい先日、休憩場所に竹製のベッドを設置しました。本来の目的は荷物置き場であり、作業スペースなのですが、作業中に気分が悪くなる人が出た場合に備えてベッドサイズにしておきました。
昼に弁当をつかった後に、このベッドに手足を伸ばして寝転ぶとまことに気分がよろしい。
三尺寝どころか、夕暮れまで寝入ってしまいそうな心地よさです。
別に山仕事に関係なくとも、冷えたビール持参で山に入り、ここでピクニックランチをとり、三尺寝を楽しむという手もあります。峯山会員の特権として認めましょう。
コロナ禍での消夏法として、これにまさる方法はないように思えます。特権を活用して下さい。

210620やぐら
今は無くなってしまいましたが、以前は聖ミカエル幼稚園の脇に横穴があり、水が湧き出ていました。これは、鎌倉時代から知られていた常盤の硯水という名水です。子供風土記には、明治のころには、ここを通る旅人のために茶屋があって人々が喉を潤したそうです。私も地元の古老から、終戦後もこの水を馬で市内に運んでいたと聞いたことがあります。同じような湧水が八雲神社の周りにも何カ所かありました。鎌倉時代には、庶民の殆どが前浜といわれていた由比ヶ浜近くに住んでいましたから、井戸を掘っても塩水しか出てこないので、飲み水はこのようにしか手に入らなかったはずです。名水と呼ばれた事情はこのあたりにもあったことでしょう。
この名水を、つい最近になって私自身味わうことができました。NPO法人やまもりのイベントでの出来事です。親子合せて数十人の方々と一緒に飲んでみました。八雲神社裏手にある二層構造の珍しい「やぐら」見物をした後、近くの沢を流れる水を子供たちと一緒に汲み、峯山に上ってから飲める化処理をしました。ろ紙で濾したあと煮沸消毒しただけの簡単な処理ですが、水処理の専門家である、のうせいさんにお願いしたので安心です。言うまでもなく安心感は味の大事な要素です。
実際に飲んでみると、水道水には無いうまみすら感じられました。そのあと、峯山茶を皆さんに振る舞いましたが、こちらも大層喜んでもらえました。親ごさんの話しですが、普段お茶を飲まない子がもっとくれと催促したと驚いていました。山で大暴れした後でのどが乾いていただけかもしれませんが、それを差し引いても常盤の名水の美味しさは立証されたといっていいでしょう。
古来、梶原周辺には温泉場もあったくらいですから、豊かな地下水脈が流れているのでしょう。大規模な宅地造成がなされた現在でもこのような名水を味わうことが出来るのですから、昔はもっとミネラル分豊かな美味しい水が流れていたに違いありません。このようなイベントを通じて、自然の恵を実感し、さらには自然の大切さと後世に伝える意義を感じてもらえれば言うことなしです。やまもり関係者に感謝です。

210622サンユウカ
写真の草をAI植物図鑑で調べてみるとヤブガラシの他にサンユウカも候補として出てきます。ヤブガラシは葉の形から、サンユウカは花の形から推定しているようです。
葉の形や付き方はヤブガラシそのものですが、花は全く違います。サンユウカは、花の形は同じですが印度原産のキョウチクトウ科の常緑低木とありますのでこれも違います。
この草は、峯山のアジサイに絡まっていたツル性のものでした。何人かで取り除いていましたが、そのうちの一人が、このヤブガラシ、いい花がついているねといいます。差し出されたのが写真の草です。咲いていたアジサイの花によく似た花がついているので、それが付いているかと思いきや、ちゃんと花として咲いています。家に持ち帰って調べた結果が前述の次第です。
気になって後日現場に行って見たのですが、同じ草は見つかりません。頭上にテイカカズラが沢山咲いているので、この幼木かとも思ったのですが、その気配は一切ありません。
そこで、あれこれ妄想しました。その①が、ヤブガラシの擬態です。とにかく畑や花壇での嫌われ者ですから見つかり次第排除されます。生命力旺盛な彼らは、これに対抗して取りついた草花と似た形に擬態することで子孫を残す戦略を取っているのではないか? そこで、「植物の擬態」でネット検索してみたら、驚くべきことに実際にそのようなツル性植物が存在することを知りました。ヤブガラシの例はありませんでしたが可能性は排除できません。
その②は、これは新種ではないか? 最近の新聞記事で上皇様がハゼの新種発見とありました。それを引き合いに出すのは恐れ多いのですが、あり得ないことでもありません。また見つけたら、引き抜かずに大事に育てて様子をみることにします。峯山で新種発見となれば一大事です。山全体が保護区となり立入り禁止となるかもしれません。それはちょっと困るので妄想であって欲しい。

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