里山エッセイ・鎌倉峯山の四季

峯山の四季折々の状況と活動内容をお知らせします。

タグ:竹林

2002篠竹
(写真① 5mを越す篠竹)

2002竹林
(写真② 整備中の竹林)
私たちの山仕事は、弁当持ちで山に入り、気分次第で暗くなる頃まで作業を行います。
そのため休憩場所が不可欠です。殿入りルートを上った先の左側に比較的平坦な場所があるので、生い茂る篠竹を刈り取り休憩場所にして峯山広場と名付けました。
ベンチ以外は何もない草地なので子供たちの恰好の遊び場ともなっています。
周囲の篠竹は、あえて残してあります。(写真①)これは、かってはこのような状態で全山覆われていたことを示すためです。いわば負の遺産みたいなものです。
この薮の中に、人がやっと通れる幅に路をつけておいたら、子供たちがどんどん入り込みます。当初の目的は、nature's callがあった時の用足し場のつもりでしたが、迷路遊び場に用途変更しました。隣接の竹林は整備を進めて、最近では美林の様相を示してきています。(写真②)もう少し手を入れて、竹林の中を安心して歩けるようにするつもりです。
竹は里山を破壊する元凶のように言われています。事実そうなのですが、何がなんでも皆伐して全滅させるのも芸の無い話です。竹なしでは生活できない時代が、ほんの少し前まであったわけですから、あるべき姿に整備して、人々が竹に接することが大事なことだと思っています。
竹の再生産能力は大したものです。有効利用すれば、これほど頼母しい資源はありません。
食料として、建材として、また燃料として限りない用途が考えられますが、なかなか軌道に乗っていないのは残念なことです。
しかし、プラゴミや二酸化炭素問題など世界規模の悪影響が出ている現代こそ、資源としての竹にもっと関心を持つべきではないでしょうか。
私たちも県有地の保全活動の一環として竹林整備を行っていますが、切り倒した竹をただ積み上げて、時間をかけて土に戻すだけの愚かしいと思えるような処置をしています。
せめてもの罪滅ぼしに、小さな区画ですが美林竹として残し、竹に敬意を表したいと考えています。

20171125光る海
(2017/11/25 光る海)

20180101日の出
(2018/1/1  初日の出)

20180101初富士
(2018/1/1 初富士)
3年まえに峯山の篠竹(アズマネザサ)を全部切り払おうと始めた頃は、こんな素晴らしい眺望が得られるとは思ってもいませんでした。
山桜の巨木が何本もあることに気付き、これは後世に残すべきだと、整備のための作業路を作ることから始めたのですが、海が見え始めた時は感動しました。桜の数が多いので結局全部を切り払うことになりました。
写真(2)と(3)は、山頂の篠竹をほぼ切り払った2018年の元旦風景です。この年は、ご褒美のような好天気に恵まれこのような写真が撮れました。
これだけの眺望があれば、山に上ろうという気になるというものです。
以来、この付近一帯の散策路を整備して大勢の人に山歩きの楽しさを満喫してもらおうと作業を行っています。その結果、あちこちの町内会の行事にも使われ始めて好評を得ています。
整備した展望スポットは山頂だけではありません。梶原口寄りには富士山が見えるところにベンチが置いてあります。この途中にある汐見台からは相模湾が広がります。ここには倒木を利用した腰掛を置いてあります。
今年の初夢は、山頂からの回遊路の完成です。今、尾根道と平行して梶原口に通じるルートを整備中です。勿論竹林、樹林管理用の作業路なのですが、雑木林を抜け、杉林に入り、さらに竹林の中を歩き、大タブの根元を辿ってまた雑木林の中を下るというやや複雑な道です。
これが完成すると山頂をスタート地点とする回遊路となり変化に富んだ山歩きを楽しめます。夏でも涼しい木陰をめぐる道なのでこかげ道と名付けるつもりです。この道の西半分は、ともさんが一人で頑張っていますが、他は斜面の造作なので体力勝負の気配です。夢に終わらぬよう精を出してみましょう。

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