里山エッセイ・鎌倉峯山の四季

峯山の四季折々の状況と活動内容をお知らせします。

タグ:散策路

200713雑木林
(雑木林のこかげ道)
200713移植木
(竹林沿いの移植木)
峯山の会では、約2万㎡を越える区域の緑地整備を行っています。
竹は、どこにでも侵食し、放っておくと全山竹薮化します。そしてこの中にある山桜の巨木が立ち枯れしてしまいます。そのため、山桜の保護と竹の侵食を食い止めるために、立ち木周りは竹の皆伐を行い、その他の場所は大幅に竹を間引いてこれ以上の竹藪化を阻止しようとしています。
しかし、この作業はかなりの難工事です。山中なのでとても足場が悪いのです。そこで、まず作業路を確保しないといけません。場所によってはロープを垂らして上り降りする箇所もあります。そんな苦労をして作った道なので、もう少し手を加えて散策路に活用出来ないかと考えました。
計画では、峯山の山頂から雑木林を経て杉木立の中を歩き、それからしばらく竹林沿いに歩いたあと、八雲神社ルートにある大タブの木のところに出ます。次に西に向かって樹木の下を通り梶原口近くに出ます。そこから峯山に戻る回遊路です。
それでどうなるかと云えば、いろいろな林相の中を歩くので変化に富んだ散策を楽しめる上に、山の中の様子をよく知ることが出来ます。小1時間ほど歩くことになるので、トレッキング効果も期待できます。疲れたら見晴らしのよいところのベンチに腰かけ、ぼんやり海や富士山を眺めていれば恰好のストレス解消になります。
名付けて「こかげ道」です。とはいえ、竹を皆伐したところは立ち木がないのでむしろ「ひなた道」です。そこで、せっせと実生の苗木を移植しています。10年もしたら立派な木陰を作ってくれることでしょう。
今、山に遊びに来ている子供たちが大きくなってこの道を歩いたとき、むかし、峯山の会のおっさん達が何かやっていたなあ、と思い出してくれれば、関係者は草葉の陰で大喜びすることでしょう。

191105篠竹
(写真①)中途半端な切り方

191105排水路
(写真②)排水路と立て札

191028滝壺
(写真③) 抉られた道

写真(①)は、散策路脇の篠竹です。
通りがかりの誰かが邪魔になる篠竹をカットしたものでしょう。良かれと思った作業でしょうが危険この上もありません。子供が転んで目にでも刺さったら大変なことになります。
実は私も被害者の一人です。鎌で薮を刈り取っていた時に篠竹の先端が目のふちに当たりました。高さ1m程のところでカットされていました。しかも斜めに。
幸い眼鏡をかけていたので事なきを得ましたが、もし裸眼だったらと思うとゾッとします。
根元からカットされていればいいのですが、そうでなければ何もしてくれない方が安全です。
危険排除を兼ねて、年に何回か散策路の両脇を草刈機で刈り取っていますが、全てをカバーすることはできません。歩行の際には気を付けて下さい。お子さんが走るのは止めさせて下さい。
写真(②)は、散策路の途中に設置してある排水路です。これが無いと山に降った雨は、全て散策路に集中しかなりの勢いで流れ下ります。台風19号の被害をみれば分かるように水の威力は侮れません。写真(③)は、えぐり取られた散策路の様子です。
これを防ぐため、時々排水路の溝浚えをするのですが、この溝が塞がれることがあります。ある時は、篠竹を刈り取って束ねて、それを溝に突っ込む念入りなことがされていました。
さすがに困って、排水路の意味と、溝を塞がないようにとの注意札をたてました。以来それは無くなりましたが、これも歩行しやすいようにとの善意で行ったことでしょう。
人の行為と考え方は様々です。我々のやっていることも、ある人には迷惑なことかもしれません。
山で迷う人がいるので、大事な分岐点には案内標識を立てていますが、これが引き抜かれることがあります。しかも同じ個所が何度も繰り返されます。腹が立ちますねえ。
相手の意図は分かりませんが、イタチごっこを承知の上で、めげずに立て直しをしています。
善意が万人に受け入れられことはないという象徴的な出来事です。






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