1912イヌビワ
(イヌビワ)

写真は富士見台に生えているイヌビワの木です。イヌビワは峯山の至る所に生えています。今まで雑木林や広場の草刈りでは無造作に刈り取っていました。しかし、この写真のイヌビワは特別です。何しろ樹齢180年の山桜の枝を切除して救済された木なのです。
といっても、それほど大袈裟な話しではなく、山桜の枝が折れてイヌビワにもたれ掛かっているのでイヌビワが可哀そうだと、市に通報があったそうです。そこで市は、山桜の枝(写真の手前の枝)をバッサリと切ったのです。
この枝はずい分前から折れていて、うまい具合に垂れ下がって花が咲くので隠れた撮影スポットになっており、毎年趣向を凝らした撮影会が開かれていました。
山桜の保護活動をしている我々としては、救済相手が違うだろうと異をとなえましたが、いろいろな意見がありますからと軽くいなされました。
ところで、2019年1月の新聞記事にこんな事が載っていました。天皇退位を前にして美智子さまが退位後の事を尋ねられた際、上皇の好きなイヌビワでも植えて云々と言われたそうです。
以来イヌビワへの対応が変わってきました。今まで邪険に扱ってきたのに、雑木林の実生木を育てるようにしたのです。秋の黄葉も目当ての一つです。しかし、今年は色づく前に葉が落ちてしまい期待外れでした。
誰かのひと言でコロッと態度を変えてしまうのは如何なものかと思いますが、物事は見る方向によって全く異なる面を表すことがあります。それはむしろ当然なことかもしれません。
竹林の中の厄介者アオキも、せっせと駆除していますが、英国などでは日陰でも育つ上、朱い実をつけるので好まれているそうです。
いつの日か峯山の会でも、どこかにアオキ林を作ろう!なんて言い出す人が出てくるかも知れません。