里山エッセイ・鎌倉峯山の四季

峯山の四季折々の状況と活動内容をお知らせします。

2021年08月

210823ミズヒキソウ
真夏の暑い盛りでも、ふと秋を感じることがあります。それは、草花の移ろいであったり、空の色や風の吹き具合などに突然のように現れます。
お盆休みと称して10日程山に入らなかったので、代わりに久しぶりに早朝散歩をしてみました。以前はこれが日課でしたが山仕事をするようになり中断していました。夜明け前から歩きはじめますが、普段気付かないことに出合い新鮮な気分になります。何よりも静寂さが気に入っていますし、あちこちに秋の気配を感じ取ることができました。
ラジオ体操のグループにも出会いました。以前は大勢の人たちがラジオを鳴らし、声高に喋るので苦手でしたが、リタイヤした人が一気に増えたのでしょう、今は2,3人でひっそりとやっていました。これは秋の気配というより、何だか人生の秋を感じるようで侘しい気がしました。
山での気配は、何んといっても草花の変化です。ヤブランが薄紫の花を立て、ヤブミョウガの実が暗紫色に色づき、そしてミズヒキソウが路傍に目立つようになると秋近しです。そして、今年の秋はどんな事になるか気になる時期です。
フジバカマは順調に繁茂していますが、ミソハギはうまく花が咲いてくれません。栗の実はどうか、イヌビワはジャムが作れるほどになってくれるか? 市の調査によるとタヌキが増えているようですから、イヌビワの実の争奪戦になるかもしれません。9月に入るとNPO法人やまもり主宰の子供のためのイベントが予定されています。今度のテーマは「秋の峯山を味わおう」だそうです。ますます心配になります。

210803バンブーベッド
昔からの職人の習慣に三尺寝というのがあります。日陰が三尺移る間、時間にすれば30分ほどの短時間の昼寝のことです。大工や庭師などの職人が昼寝することを施主も親方も、三尺寝なら仕方あんめぇと認めていたようです。
峯山の集合日には弁当持参で集まり、夕方まで作業します。このクソ暑いのによくやるねえと言われますが、本人たちは別に苦労に思っていません。一応3時に上がることになっていますが、こんな時間に切り上げようとする人はだれもいません。それは山が涼しいからです。ことに休憩場所の涼しさは格別です。地形のせいでしょうか、風の通りがよく涼風が吹き抜けます。それと、街中と決定的に違うのは地面が舗装されていないことです。休憩時には、つい、うとうとしたくなります。
日の高い時間に山を下りると、途端に暑さを感じます。ことにバス通りにでると道路や塀の輻射熱に包まれる感じがして、体感的に山と3度くらいの差があります。あそこを通って帰るのかと思うと、つい山に居る時間が長くなります。
つい先日、休憩場所に竹製のベッドを設置しました。本来の目的は荷物置き場であり、作業スペースなのですが、作業中に気分が悪くなる人が出た場合に備えてベッドサイズにしておきました。
昼に弁当をつかった後に、このベッドに手足を伸ばして寝転ぶとまことに気分がよろしい。
三尺寝どころか、夕暮れまで寝入ってしまいそうな心地よさです。
別に山仕事に関係なくとも、冷えたビール持参で山に入り、ここでピクニックランチをとり、三尺寝を楽しむという手もあります。峯山会員の特権として認めましょう。
コロナ禍での消夏法として、これにまさる方法はないように思えます。特権を活用して下さい。

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