
峯山の春で一番人気の野草といえばフキノトウと菜の花でしょうか。
いろいろな食べ方がありますが、春の野草には特有の苦みがあり、この苦みこそ春の醍醐味です。
先日、フキの群生地に行ったらカキドオシが一緒に咲いていました。フキもカキドオシも真竹を皆伐した跡地に、竹の子を抑制するために植えつけたものですが、今ではかなりの範囲に広がっていて充分にその役目を果たしています。
カキドオシは、以前果樹園をやっていた時に、草生栽培のためのグランドカバーとして使っていたことがあります。いわゆる雑草の類いのなかで一番好きな草といってもいいでしょうか。はびこると厄介な草の抑制をしてくれる上、草刈りをするといい匂いがしてうっとりとするくらいです。しそ科特有の芳香です。西洋では、エールの香りづけに使うそうで薬功もなかなかのものです。つまりハーブです。お茶としても、乾燥葉だけでなくフレッシュティとしても使えます。山仕事の合間に淹れてみましょうか。糖尿病、胆機能障害に効くそうです。
菜の花は、この時期に花摘みをすると脇芽が出てきて花の数が増えますからお勧めですが、やり方を間違えると逆効果です。脇芽がでるように摘んで貰いたいのですが、全ての人に理解してもらうわけにいかないのが悩みです。フキノトウも同様です。見つけ次第全部採ってしまう人がいます。特に子どもが問題です。最初は分からずきょろきょろしていますが、一旦目が馴れると次々と見つかります。そうなると採取本能全開モードになり採りつくすまで止めません。楽しみは皆でシェアーする心得を大人が伝えないといけないのですが、大人でも不心得ものがいるので難しいです。
冒頭に、春の野草の醍醐味は苦みだと書きましたが、大好きなふき味噌を作ろうかと思って採りにいったら全然見当たらない、そんな苦い気分になるのは御免蒙りたいものです。