里山エッセイ・鎌倉峯山の四季

峯山の四季折々の状況と活動内容をお知らせします。

2021年01月

210121伐根
伐根(ばっこん)とは林業用語です。木を根っこごと引き抜くときに使います。竹を皆伐したあと、日が当たるといろいろな木々が芽をだします。特に多いのはアカメガシワ、ニワトコ、ヒメコウゾウ、カラスザンショなどです。まあ、云ってみればザツボクです。枯れ木も山の賑わいで、今まで放置してきましたが、4年目となると木々も太くなります。このままにしておくと、取り除くのが難しくなるので、今年は不用な木を伐根することにしました。
まず、腰高位に伐採します。次に根の周りを掘って根をむき出しにします。そこを鋸で切断し、鍬で掘り起こします。それから幹を掴んで倒します。
大抵はこれで片付くのですが、直根(いわゆゴボウ根)が深く入っている場合は根切りが大変です。
さらに厄介なのはカラスザンショのようにトゲだらけの木です。なぜこれ程までに武装するのかと悪態をつきながら格闘する羽目になります。写真のようにロープをかけて引き倒すしかありません。
この寒中でも2,3本倒すと汗がでます。しかし、どこかのジムでお金を払って汗をかくよりずっと気分がいいです。
コロナの影響で運動不足となり、ロコモになる人が増えているそうです。ロコモ対策には峯山で伐根作業をすることをお勧めします。女性のダイエットにも効果がありそうです。
やって見たい方は、峯山の茶畑に行ってみて下さい。腰高に切った木に赤いリボンを結んであります。これを片っ端から抜いて下さい。気分が爽快になります。その上、何年か後にはここが心地よい雑木林になることが期待できます。

201230門飾り


写真は、我が家の正月の門飾りです。
左右の門柱に例年の通り峯山から切り出した竹を加工して取り付けました。
ところが大失敗です。新年そうそう恥をさらすことになりますが、参考までに経緯をお伝えします。
まずは、頃合いの太さのきれいな竹を見つけて適当な長さに切って家に持ち帰ります。寸法を決めて両端を揃え、花入れのための窓を開けます。この時に最初の異常を感じました。竹の内側がかなり汚れています。腹黒い竹はお目出度くないから止めようかと思ったのですが、すでに30日、まあ、こういうこともあるかとそのまま加工を進めたのが失敗でした。
完成した後、松にロウバイ、彩りにセンリョウを差し込んだところまではよかったのですが、筒に水を入れたら何んとジャーと水が落ちてきます。ポタポタではなく殆ど素通り状態です。
慌てて筒を覗いたら、底に1mm程の穴があいています。3本作ったのですが全部がそうなっています。虫食いの竹だったようです。こんなことははじめてです。

しばらくぼんやり眺めていました。今さら作り直す余裕はありません。さあどうするか。
この時に浮かんだフレーズは次の通りです。
1,お前の目は節穴か。今年は門飾りを止めてしまえ。
2,この一年を象徴する出来事ではないか。こんな底の抜けたものは放り出してしまえ。
3,穴があいて先が見えるのはレンコンと同じで縁起物ではないか。
結局3案を採用し、ドライフラワーになるのを承知の上で使うことにしました。
果たして、この門に福は来るのか。取り敢えず、節分に福は内と大声で叫ぶことにしますか。
教訓:何事も見かけで判断してはいけない。中身が大事だ。

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