
もうふた昔も前の話しですが、加賀白山に上る前日に泊まった温泉宿でのことです。
若いオーナー夫妻と、その幼児ふたりと一緒に屋外で食事をとりました。食事中に、子供の顔にとまった蚊を見つけた母親が、あろうことか虫よけスプレーを顔に吹き付けたのです。無農薬の自然農栽培をしていた私には想像できない光景でした。聞けば、いつもそうやっていると涼しい顔して答えてくれました。
以来、安心して?私も農作業時に虫よけスプレーを使うようになりました。確かに快適に作業ができます。ただ、ケチな性分の私はスプレーを吹き付けて使うのはムダが多いような気がして一計を案じました。先ず左手の掌に吹き付けます。その手で顔の左半分を撫でまわし、次にもう一度吹き付けて今度は右手の手首と指周りを撫でまわします。ついで右手の掌で同じことをやります。つまりスプレーを4回吹き付けるだけで蚊よけ対策が終了します。これで8時間は蚊の心配なしに作業に専念できます。
ただ昼飯のときに蚊がプンプン飛び回るのは不愉快なので、やぶ蚊xxxというやつを周りに吹き付けておきます。これで蚊遣り対策は完璧です。
峯山の整備を始めた4年前には蚊は殆どいませんでした。それが今では普通に飛び回っています。生物多様性がもたらす負の効果です。蚊は主に花の蜜や樹液を吸って生きているそうです。ただ、メスは産卵のための栄養源として吸血するそうです。つまり、血を吸わせてくれる生き物がいないところでは子孫を残せません。吸血対象としては人間が一番のお得意さんでしょう。そのトンマな人間が完全武装してきたのでは、蚊一族としては子孫を残せるかどうかの大問題です。これは生物多様性と作業効率の二者択一という大命題に発展することを意味します。話しがモスキート級からヘビー級に飛んでしまいました。